我が家には、お手伝いさんが二人いる。一人は料理、一人は掃除・洗濯と一応別れているが、二人で協力して家の諸事をこなしてくれている。料理のお手伝いさんとはかれこれ12年、掃除・洗濯のお手伝いさんともおよそ8年の付き合いだ。すなわち、前回、マカッサルに滞在していた時に使っていたお手伝いさんをまた使っているのである。ずいぶんと長い付き合いになったものだ。
今回は、掃除・洗濯を担当しているトラジャ人のお手伝いさん(キリスト教徒プロテスタント)の結婚式である。11月22日、小雨降るなか、場所はマカッサル市東部アンタン地区のとある小さなトラジャ(ママサ)教会。彼女からは「アンタンの教会で午後4時から」と伝えられていたが、アンタン地区にはトラジャ人がたくさん居住しており、トラジャ教会もたくさんある。そう、どの教会で行われるのか、わからないのである。
料理のお手伝いさんの旦那とその6歳の息子の先導で、掃除・洗濯のお手伝いさんがよく行くという親戚の家を訪ね、そこで結婚式が行われる教会の場所を聞く。聞くと、そこには教会が二つあるという。まあ、ともかく目指す教会には着いた。
もう午後4時というのに、人影はまばら。しばらくすると、着飾ったおばさんたちの集団が到着。どうやら、きちんと連絡を取り合っていないらしく、花嫁はまだ美容院にいる様子。「なにやってんのかしらねえ」「花嫁は花婿と一緒に教会に行けばいいって言ってるみたいよ。おかしいわよね」などなど、半分怒りながら、ベチャベチャしゃべくっている。ちょっと険悪な雰囲気になってきたので、おばちゃんたちに「写真を撮りましょう」といって写真を撮ったら、ムスッとしたおばさんたちのなかで、小さい女の子がマンゴーを手にポーズを取ってくれた。
それから30分ぐらいして、新郎・新婦が到着。トラジャ教会で式が始まる。讃美歌が毎回歌われる(歌えない私はただじっと聞くだけ)。讃美歌の合間に、牧師さんの長い話がある。その繰り返しで、席を立っては讃美歌、座っては牧師さんの話と讃美歌、また起立して讃美歌、という具合である。当然、子どもたちは飽きて教会の中を動き回ってギャーギャー騒いでいるが、牧師さんはお構いなしに話を続ける。
式の最後のほうで、新郎・新婦に向かった牧師さんが、下の写真のように、両手を上に大きく広げ、呪文のような言葉をかけていたのが面白かった。そうこうして、式は約2時間かかって終わった。一緒に行った料理のお手伝いさんたちは「ふーっ、長かった」と思わず言葉をはいた。
さて、この掃除・洗濯のお手伝いさんのお相手は、パサール・ダヤ(ダヤ市場)周辺で働いているオジェック(バイク・タクシー)の運転手である。「なぜ彼と?」とお手伝いさんに聞いたら、「それは運命です」と彼女はにやっとしながら答えた。そして新居は・・・我が家である。こうして、我が家には、お手伝いさん2世帯が同居することになった。一段とにぎやかになった我が家である。
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