プカンバル市を抜けてカンパル県に入ると、沿道にパイナップルを売る小屋が並ぶ。ここのパイナップルは地元でも甘いことで有名らしいので、早速一軒に立ち寄ってみる。
売り子のお兄さんが器用にパイナップルをむいていく。上手に切れ目が入り、それを生かしてガブッとかぶりついてみた。うーむ、たしかに甘い。西ジャワ州スバンの街道沿いで食べた甘いパイナップルに匹敵する甘さ。
このお兄さんはパイナップル農家で、かつてはジャムなど加工品も作っていたが、機械が壊れて、修理する費用がないため、今はパイナップルをそのまま売っているという。沿線の小屋のほとんどは、農家から買い付けた商人がやっているもので、農家が直に小屋を出しているのは少ないのだという。
パイナップルの小屋からしばらく行くと、大きな素焼きの壺を売っている一角に到着。スラウェシのものよりも、色合いが豊か。
沿道には、一般のパサールもあるが、このパサール・アイルティリス(Pasar Airtiris)はなかなかしゃれた作りをしている。
カンパル県の県都はバンキナン(Bangkinang)。町の中心部、県知事庁舎のすぐ近くにきれいなモスクが建っていた。
そのモスクのすぐ横に、ヘルメット着用を呼びかける看板があった。「二重のヘルメットOK、でもカチッと金具を閉めるのを忘れないでね」という表示。ジルバブの上からヘルメットを被るのを「二重のヘルメット」、としているのが面白い。スラウェシではこの種の看板を見たことがない。
もっとも、道を通るほとんどのバイク利用者はヘルメットを着用していなかったのだが・・・。ヘルメット着用率はスラウェシのほうが遥かに高いと思う。
プカンバルから2時間ほど走って、コトパンジャン水力発電所に到着。管理事務所に見学を申し込んだが、電力会社からの見学依頼状がなければダメ、ということで外から眺める。これまでの経緯があるためだろう、外部者への警戒は依然として強いままである。
しばらく先の丘の上まで行き、ダム湖を眺めながら、小屋でサトウキビ・ジュースを飲む。小屋を営む若夫婦と話をしたが、「ダムができる前は仕事が全くなかった。ダムができてからは、魚を捕れるようになったので、ずいぶん楽になった」とぽつりぽつり語った。その言葉に偽りはなさそうだった。もっとも、その言葉のみをもって、ダムの功罪を判断しようなどとは思わなかった。
たしかに、ダム湖では魚が盛んに養殖されているようだった。
帰り道、途中で面白い表示板を見た。左折でドリアン畑(Kebun Durian)・布折り(Lipat Kain)へ、とある。
ふらふらっとドリアン畑へ行ってしまいそうだが、これは集落の地名で、ジャワ族の移住者の集落に昔ドリアンがたくさんあったことからついた名前だ、と運転手はいう。カンパルは、スマトラでも有数のドリアンの産地なのだそうである。
プカンバル市内に戻って、近未来風の不思議な形の建物に出くわした。
これは、リアウ州立図書館。ちょうど本を広げたような形の建物である。大きさでは東南アジア最大、と運転手はいうが、真偽のほどは分からない。この日は祝日のため、中に入って、蔵書状況や利用者の様子をみることはできなかった。次回の訪問時には見てみたいものだ。
次にこれは、リアウ州知事庁舎別館である。州の行政サービスを統合的に行う庁舎のようであるが、どうしてこんな形をしているのだろうか。
石油ガスが産出し、広大なオイルパーム農園が広がるリアウ州は、インドネシアでも1・2を争う財政的に豊かな州であり、こうした奇妙な形の建物は、それを反映する象徴的な存在なのかもしれない。もちろん、私の趣味ではないのだが・・・。
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