思えば24年前、初めてのインドネシア出張で、まだインドネシア語もろくに話せず、右も左もインドネシアのことが分からなかった(今もよく分からないのだが・・・)私を連れてインドネシアのイロハのイから教えてくださったのがこの方であった。私にとって、初めてのインドネシア出張だったので、今でも記憶がはっきりと蘇ってくる。
ジャカルタからバンドゥンへ車で向かう途中、大雨に逢い、ワイパーが壊れて前が全く見えなくなり、運転手が手でゴンゴンと叩いてワイパーを取り付けているのを心配そうに見つめていたこと。
夜、プカロンガンの街を一緒にベチャに乗ってぐるぐる走り回ったこと。小さいなあと思ったプカロンガンの街を10年後に訪れたら、大都会のようになっていて、びっくりした。
当時はビリヤードが流行っていて、スラバヤでもマランでも、泊まったホテルでビリヤードのやり方を教えてくださった。
そして何よりも、インドネシアと付き合っていく際に、肩の力を抜いて生身で普段どおりにつきあうことを、その態度から教えてくださった。
あれから24年。自分ではどれほどそれを本当に理解できて、実行できるようになったのか、正直言って、まだ確信が持てないのだが、今回の訪問でも、以前と変わらず、ニコニコしながら温かく接していただいた。
彼のほかにも、様々な多数の先輩たちの指導を受けて、今の自分がここにいる。とてもありがたいことである。翻って、自分は自分の「後輩」たちにどれほどのことをしてきたのだろうか、という思いもある。
常に「初心」に帰れる状態に自分を保っていく。実際には難しいだろうが、そう努め続ける毎日を過ごしていきたいと願っている。
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