ゴロンタロからマナドまでは、普通の長距離バスや『ガルーダ』という会社の相乗りキジャンが一般的だが、今回使ったのは、『マワル・シャロン』(Mawar Sharron)が昨年から始めたワゴンバスである(下写真)。
10席分のリクライニング・シート、エアコン付きで「エグゼクティブ・トラベル」と銘打っている。料金は125,000ルピアで、出発前に水とお菓子がもらえる。席どうしはセパレートではなくつながっているが、車内に客を詰め込まないので、それなりにゆったりとはしている。
このワゴンバスを予約するには、0813-5605-9724に電話かSMSを送ればよい。指定の場所に迎えに来てくれ、最終目的地まで送ってくれる、Door to Doorサービスである。ただし、出発前に乗客を迎えにグルグル周るので、なかなかすぐには出発しないし、マナドに着いてからも、目的地まで客を送るため、市内をグルグル周ることになる。
この『マワル・シャロン』は、ゴロンタロでは有名な地鶏のフライドチキン屋さん(私のお勧めはAyam GorengよりもAyam Bakarなのだが)であり、マナドにも支店がある。
ゴロンタロのホテルに迎えに来たのが午前8時、その後、他の乗客を迎えにグルグル周り、全員乗せてゴロンタロを出たのが午前9時半。ゴロンタロからの道は山越えのカーブの連続で、絶壁のような高さから眼下に海が次々に見えてくるのはなかなかの絶景。でも、極端な話、南ミナハサ県あたりまでは真っすぐな道がほとんどなく、常にカーブの連続である。車酔いの人にはちょっときついかもしれない。
午後2時ごろ、ちょうど中間地点らしい海岸近くで昼食をとった。焼き魚、空芯菜、ご飯という定番。掘立小屋のようなこの飯屋に着いても、椅子が足りなくて、15分ぐらい立って待たされる。この昼食は各人が払い、ワゴンバス料金とは別である。
昼食後、再び走り出す。しばらく行くと、木が数本しかポツンポツンと生えていない、草に覆われたはげ山が続く。そのはげ山の草を刈って、畑を作ろうとしている光景が何度も目に入ってきた。やはり、トウモロコシ畑になるのだろうか。
スラウェシでは、こうした光景を目にすることが少なくないが、今、急に始まったことではなく、これまで幾度となく繰り返された結果が、こうしたはげ山を作り出しているのだろう。人口の急増、人口圧に対して自然が養う力の低下、水源の消滅、保水力低下、土壌流失、やめられない粗放農法。井戸が塩化し、あるいは枯渇し、生活用水を外から買わざるを得なくなっているスラウェシの農村は少なくない。ここがダメになったら処女地へ移っていく、ということをいつまで繰り返せるのか。そして、こうした構造は、陸上だけでなく、急速な漁獲高の減少に直面している漁民たちの海でも同様である。
マカッサルは雨が降り始め、我が家の断水は解消されたが、実際に断水を長期間経験したからこそ、水と環境の問題が切実に感じられて仕方がない。
そして、ワゴンバスは夜7時半にマナドの宿泊先のホテルに到着。マナドではかなりの雨が降っていた。久々の長距離移動で、さすがに疲れた。
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