7月9〜10日はリアウ州プカンバルへ。長年、インドネシアとお付き合いしてきたが、リアウ州を訪問するのは、恥ずかしながら今回が初めてである。今までの経験で、その土地を好きになるきっかけとなるのは、やはり「おいしいもの」である。
スマトラの料理と言えば、西スマトラ州のパダン料理が有名で、席に着くと、注文もしないのに、小皿にのった料理がどんどん出てくる。そして食べた分だけ支払い、残った料理は別のテーブルへ、という形式。なので、小皿から料理をとるときには、スプーンを使うのが原則で、手づかみでとるのは好ましくない。自分の前の大皿にご飯をよそい、それに好きな料理をスプーンでとってくる。料理のソースだけならば、料金はかからない仕組みでもある。
プカンバルはスマトラ東部の人口約90万人の町だが、地元のムラユ族が支配的な地位にあるわけではなく、西スマトラのミナンカバウ族が大量に出稼ぎに来ていて、商業などの分野ではむしろ優勢である。それにジャワ島からのジャワ族やメダンからのバタック族が絡み、様々な種族が入り交じる様相となっている。
地元のムラユ料理も、基本的にはパダン料理と同様の手法で出される。ただ、プカンバルで必ず食べるべきものと言われたのが、パティン(Ikan Patin)というナマズの一種。淡水魚で養殖もされており、プカンバルでは何軒かパティンを食べされる有名店がある。脂が乗っていて、柔らかく、とろっとした舌触りがする。
プカンバルは、川の近くだが、海からは遠く離れた内陸の町である。だから、淡水魚を使った料理が発達したのだと納得した。
今回、地元の友人が勧めてくれたのは、Rumah Makan Khas Melayuというレストランで、パティンとならび食されるバウン(Ikan Baung)と呼ばれるやはりナマズの一種の淡水魚。これを、ドリアン・ソースを入れた辛くて酸っぱいカレーソースで煮た料理(Ikan Baung Asam Pedas Durian)、である。何も言わないと、パティンのカレー煮込みが出てくるので、必ず「ドリアン・ソースの」といって注文すること、と念を押された。
ドリアン・ソース入りバウンの辛くて酸っぱい煮込み、と一緒に出てきた、ほかの料理の一部は以下の通り。
この「ドリアン・ソース入り」、味が濃厚で舌の上に辛さが残る。この辛さは、インド料理の辛さともマレーシアで食べた辛さとも微妙に異なる。なかなか深みを感じる味である。
正直言って、これまで、スマトラのカレー系の料理は、インド料理などの二番煎じで、どう転んでもインド料理にはかなわないと思い込んでいたが、それとは別の味わいのある、なかなかのおいしさだった。
マカッサルにいた頃には、こうした料理を食べるのは、コレステロールを気にして、なかなか及び腰だった。正直言って、マカッサルのパダン料理をおいしいと心底思ったことはなかった。ほかに、マカッサルにはおいしい料理がたくさんあったためかもしれない。でも、今回、プカンバルで食べたムラユ料理は、なかなか味わい深いおいしさであった。
次回、プカンバルを訪れた際には、さらに研鑽を深めたいと思っている。食べる分量には気をつけつつも・・・。
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スマトラ島パダンの復興状況はどんな感じでしょうか?
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