12月20日(日)午前10~13時に、マカッサルの国立ハサヌディン大学で『マス・エンダン』上映会が行われた。
社会政治学部国際関係学科と文化学部日本文学科の学生が合同で開
催したもので、催し物としては「インドネシア・日本友好」という題目がついた。
催しは、まず、国際関係学科の学生有志ボーカルグループが「インドネシア・プサカ」をアカペラで歌って幕開け。
その後、在マカッサル出張駐在官事務所の野村昇所長が挨拶して開会した後、ほどなく上映開始。入場者は約90人、スクリーン近くの照明が故障で消せないといったハプニングはあったが、途中退出者もほとんどなく、みんな最後まで観賞していた。
上映終了後は、日本文学科のRudi Yusuf講師、国際関係学科のMuijin講師、そして私の3人が15分ずつ映画についてコメントした。
Rudi講師は、映画の内容の中に普遍的かつ人間的なものが濃くみられる、日本人は恩を受けたことをずっと覚えていて返そうとするがそれがこの映画製作者の気持ちなのではないか、インドネシアに対する日本人のイメージを深く変える効果がある、などと述べた。
Muijin講師は、映画の中に倫理的な教訓がいくつもあり、たとえば、エンダンさんが自分の運命を変えようと動いたこと、夢をかなえようとすること、勤勉さ、誰かを助けようとする気持ち、深い隣人愛をどう作っていくか、といった点を挙げた。
私は、エンダンさんの勇気を忘れてはならないと同時に、この映画に描かれた普通のインドネシア人と普通の日本人との交流が当たり前に普通に行われていくことの積み重ねと広がりが新しいインドネシア・日本関係をしっかりと築いていくことになる、と述べた。
この後質疑応答があり、アンケート記入の時間がとられた後、日本文学科学生有志による「よさこいソーラン」の踊りが披露された。そして、エンダンさんへの敬意とインドネシア・日本関係のさらなる発展を祈念して黙祷が行われ、閉会となった。
私自身は、在留邦人ももちろんだが、スラウェシのインドネシア人の若者たちに観てもらいたいという気持ちを強くもっていた。そして、ほとんどの場所で、インドネシア人の若者たち自身が主体になって上映会を実施・運営したことをとても嬉しく思っている。
『マス・エンダン』を観た我々は、これからどのようなインドネシア=日本関係を構築していったらよいのだろうか。上映会のなかで、学生たちが発したこの言葉を、まずは、皆でしっかりと受け止めたい。
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