2009年5月10日日曜日

世界有数のサンゴ礁域・ワカトビへの道

ワンギワンギ島北西端を海上より臨む

今回行ってきたワカトビは、東南スラウェシ州東南端にある群島からなる、人口10万人弱の小さな県である。ワカトビの名の由来は、県内の4つの大きな島の頭文字、すなわちワンギワンギ島の「ワ」、カレドゥパ島の「カ」、トミア島の「ト」、ビノンコ島の「ビ」、をつなげた名前である。この群島域は、鍛冶屋列島(Kepulauan Tukang Besi)と以前から呼ばれていて、今回は訪問しなかったが、ビノンコ島には実際、刃物を生産する鍛冶屋が存在するとのことである。

このワカトビは今、世界で最も美しくたくさんの種類のサンゴ礁を持つ地域としても知られ、欧米人などを中心に、まださほど数は多くないが、年間を通してダイビングを楽しむ観光客が訪れている。英国・ロンドンのOperation Wallaceaによると、世界で確認された850種のサンゴ礁のうち、実にその9割に当たる750種がワカトビ海域で確認されている。ちなみに中東の紅海では300種、有名なカリブ海でも50種にすぎないそうで、このサンゴ礁の種類の多さは特筆ものである。また、4島の沖合の環礁の長さは世界最長なのだとか。もちろん、世界で最も珊瑚礁が密集しているインドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、ソロモン諸島、東ティモールにまたがるサンゴ礁三角地帯(Coral Triangle)の一角を占めている。今週の5月14日、マナドで開催されている世界海洋会議(World Ocean Conference: WOC)の会場で、このサンゴ礁三角地帯の生態系保全を謳ったサンゴ礁三角地帯イニシアティブ(Coral Triangle Initiative: CTI)が当該6カ国の首脳により調印される。

このワカトビへのアクセスだが、5月15日より、東南スラウェシ州の州都クンダリとワカトビ県の県都ワンチとの間に毎週計10便の飛行機(Susi Air)が飛ぶことになった。基本的に、ジャカルタからマカッサルを経由してクンダリへ15:25に着くガルーダ航空GA604便に接続の予定である。もちろん、戻りも、クンダリ発マカッサル経由ジャカルタ行きの折り返しガルーダ航空GA605便に接続するように時刻が設定される。それ以外に、1日に2便往復する日が3日ある、ということで、柔軟なフライトスケジュールになるようだ。

ワンギワンギ島の新空港の1400m滑走路

航空機以外だと、クンダリから週に5便(日・水は休航)の定期船がある。クンダリを午前10時に発ち、途中、北ブトン県の県都エレケに寄ってから、ワカトビ県の県都ワンチに夜8時頃到着する。戻りも同様で、ワンチを午前10時に出発する。料金は13万ルピアで、船室を使う場合には18万ルピアである。

ほかにも、ブトン島最大の町のバウバウからは毎晩夜行の船便があり、また、ブトン島の中部のラサリムという小さな村からも、早朝発のワンチ行き船便(所要約3時間)が出ている。

今回、筆者は、たまたまワカトビ県知事のモーターボートで移動したので、クンダリ=ワンチ間が約4時間半で済み、快適かつ楽だった。こんな楽をしていると、インドネシア中をリュック一つで旅している親友にまた叱られてしまうのだ。

ワンチについてからの他の島への移動は、定期便だとほぼすべての島への行く船が午前10時にワンチを出る。ただし、ワンチには3つの埠頭(ワンチ、マンダティ、モロ)があり、クンダリ行きはワンチ埠頭から、カレドゥパ島行きはモロ埠頭から出る。他の島からの戻りはいずれも、早朝にワンチに到着する。今回、カレドゥパ島からワンチに戻る際、出発は午前5時半であった。

この海域は、季節によって海がかなり荒れるという。幸運なことに、今回は全般的に穏やかな海で、快適な船旅を楽しむことができた。


1 件のコメント:

leo さんのコメント...

こんにちは。初めてコメントさせていただきます。
スラウェシ情報など楽しみに拝見させていただいております。
ワカトビは以前から興味があり、注目していたのですが、アクセスが悪くなかなか訪れることができませんでした。
Kendariから行けるようになったとのうれしい情報、ぜひ訪れてみたいと思います。