昼間、いつものように、ジャカルタの街中を歩いていました。銀行へ行ったり、文房具や本・雑誌を買ったり、とごくごく普通に。
中心部のショッピングモールから外に出ようとしたら、見覚えのある顔の男性が女性と一緒に座っていました。彼との出会いはスハルト政権崩壊直後の1998年。大臣にまで上り詰め、たしか、今は某国で大使を務めていたはず。アチェ和平プロセスの陰で動いた一人でもありました。
聞くと、1年半前に任期終了で帰国し、今はジャカルタに住んでおり、時々、母校のハサヌディン大学で教えているとのこと。そう、彼とはマカッサルでも何度かお会いしていました。
「今も政府顧問とかなさっているんですか?」と軽い調子で聞いたら、「もう政府とは一切関わりを持っていないんだ」と強い口調で答えました。それも、なぜかとても嬉しそうな顔で。
1998年に初めてお会いしたとき、彼がスハルト後の新しい政治について力強く語っていた姿を思い出しました。政治家になる前のユドヨノ(大統領)のブレーンの一人だったのでした。
大使の任を終え、晴れ晴れとした表情の彼に、なぜか、これまで以上に親近感を抱いたのはなぜなのでしょうか。
マカッサルでもそうでしたが、ジャカルタでも、犬も歩けば・・・の世界。自分が動くと、また眠っていたいろいろな人脈がつながり出すのかもしれない。それも新しい形で。
私がマカッサルの仲間とやっているRumata'(「あなたの家」の意)というアートスペースを作る運動にも興味を示していた彼。文学者を集めたイベントのある6月に、会場のマカッサルで会えるとうれしいな。
そうそう、彼、なんていうと失礼に感じるべき方なのだろうが、同年代ということもあり、 そう呼んでしまうのであります。
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