2010年10月10日日曜日

元祖エス・テレールは健在なり

ジャカルタを代表する冷たいデザートの一つ「エス・テレール」(Es Teler)。ご存じの方も多いと思うが、今ではチェーン店のEs Teler 77が元祖だと思っている人も少なくないようだ。

エス・テレールの元祖は、ジャカルタのチキニ通り(Jl. Cikini)沿いにあった屋台で出していたものだが、あまりにもおいしくて、(アルコール分は入っていないのだが)千鳥足のようになってしまう(Telerというのは「(気持ちよくて)ふらふらっとする」という意)ことから名前がついたという。

20年前にジャカルタに2年間滞在していたとき、その元祖の屋台を受け継ぐ店を見つけた。Jl. CikiniとJl. Diponegoroが交わる角にあるメトロポール(Metropole)という、古くからある映画館を中心にした建物の裏で、タレをつけて鶏肉を香ばしく焼いたAyam Bakarの店と一緒になっていた。小さく素朴な店で、エス・テレールの元祖を見つけた喜びを感じていた。

その後、あの店はどうなったのだろう。まだ同じ場所にあるのだろうか。独特の尖塔が象徴的な歴史的建造物でもあるメトロポールが取り壊されるという噂も流れていたし。あれからもう20年も経ってしまっていた。

10月2日、急に思い立って、20年前と同じ場所へ確認のために行ってみることにした。そして、ちょっと広くこぎれいになった店がそこにそのままあって、前はなかったおそろいの制服を着た従業員とともに、たくさんの客で賑わっていた。もちろん、元祖エス・テレールも健在だった。



Ayam Bakarが15,000ルピア、Es Telerが10,000ルピア。20年ぶりに味を堪能する。あのときとほとんど味は変わっていなかった。そう、本物のエス・テレールのうまさはやっぱりこれである。アボガド、ジャックフルーツ、若いココナッツ、これらが甘く白く冷たい氷水のなかで、楽しく踊っている。


ちなみに、このエス・テレールがマカッサルに行くと、下の写真のような形状になる。


各地のエス・テレールにそれぞれローカル色が出るのも面白い。マカッサルのそれには、味付けピーナッツが乗ったアイスクリームが入る。

白色をベースとした、ジャカルタの元祖エス・テレールは、まだ健在だった。私の大事なジャカルタの宝物の一つだ(また食べ物だ、という声が聞こえそう・・・)。

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