2008年7月20日日曜日

トモホン、花の宴のあと

7月19日は北スラウェシ州トモホンを訪れた。トモホンはフラワーシティを標榜し、市内にはたくさんの花が飾られている。沿道には、花を売る店が立ち並ぶ。



トモホンでは、6月29日~7月7日にフラワーフェスティバルが盛大に開催された。フェスティバルの様子の写真は、トモホン市政府のホームページで堪能できる。いろいろな花自動車が市内を練り歩いた様子だ。残念ながら、私は見に行くことができなかった。

フラワーフェスティバルの写真

なかでも、フェスティバルで作ったフラワーカーペットは、オランダのそれを抜いて世界一の広さだったと地元紙で報道された。フラワーカーペットの写真は、以下のサイトにある。

フラワーカーペットの写真

「世界一」と聞いて、どんなところにフラワーカーペットを作ったのか知りたくなった。そこで、フェスティバルが終わったトモホンへ出かけてみたのである。

トモホンへ着いて、フラワーカーペットの場所を通りがかりの市民に聞いてみるが、なかなか分からない。交通警備のおじさんたちに聞くと、自分たちの「ボス」が知っている、といって、市治安警備局の職員の家へ連れて行ってくれた。

「ボス」によると、フラワーカーペットの会場は、旧市庁舎の裏にあるサッカーグランドとのこと。今も花を咲かせているのではないかと思って尋ねてみると、「今は花はもうない」という。フラワーカーペットは、地上に植えたのではなく、マリーゴールドなどの切り花を針金でつなぐなどしてサッカーグランド全体に敷きつめた、ということであった。切り花なので、フェスティバルが終わることには「ドライフラワー」になってしまい、全部捨てた、だから今行っても会場には何もない、ということであった。

でも、とりあえず、フラワーカーペットがあったサッカーグランドへ行ってみることにした。


たしかに、グランドには何もなかった。ここに「世界一」のフラワーカーペットが本当にあったのだろうか、と思ってしまうような閑散とした風景だった。

フラワーフェスティバルの残骸は、グランドではなく、グランドの入口にあった。


入口のゲートに残された残骸である。たくさんのマリーゴールドの花を切り、紙の上に貼って、それをゲートに貼り付けていた。片付けるときに剥がしきれなかったのであろう、そのまま放置されていた。

フラワーシティを標榜するトモホンの市民にとって、花とはいったい何を意味するものなのだろうか。花があることで、生活に潤いを感じたり、元気づけられたり、気持ちが優しくなったり・・・。日本ではそんな感じがするのだが、ここトモホンには、花はあっても、街にそんな雰囲気が感じられないのである。

市内で会ったある人が言っていた。多くの市民は、花を売り物、所得源と考えている、と。実際、トモホンの花はよく売れるので、農地を花卉栽培へ変える人々が少なくない様子なのだ。

トモホンの人々は、決して貧しそうには見えない。貧困にあえいでいるという感じはない。キリスト教徒が人口の大半を占めるこの町の雰囲気は、高原都市ということもあって、他のインドネシアの都市にはない、清潔感を感じさせる。しかし、花を愛でて自分たちの生活のなかに取り入れる、と考える余裕は、まだないように見えた。精神的なものよりも物質的なものを重んじる傾向は、ほかの都市と同じかもしれない。でも、それはしかたないことなのだろう、と自分を納得させてみる。

フラワーカーペットの旧会場から、ラコン山が美しくそびえているのが見えた。

1 件のコメント:

wacin さんのコメント...

K氏の別荘から眺めたロコン山思い出します。貧困層が少なくスラウェシで一番豊かな地域ですね。有り難うございました。