先週から今週にかけて、日本からスタディ・ツアーに来ている二つの大学生の一行と時間を過ごす機会があった。大学生は2~3年生が主体で、20人以上がまとまって、あるいはグループに分かれて行動する。学生だけでまわる一行もあれば、ほとんどをホームステイですごす一行もある。前者は日本の経済協力の実態を学ぶという明確な目的をもっていたし、後者は異文化体験それ自体に目的を定めていた。
しかし、共通していたのは、いずれも単なる物見遊山ではなく、積極的に学ぼうとする態度だった。そして、柔軟な思考のできる彼らは、私が繰り出す謎かけのような質問に懸命に答えようとし、その答えをあれこれ考えるプロセスのなかから、物事を多角的に見ること、自分を相手の立場に置き換えて考えることの重要さを学んでくれたようであった。
それにしても、大学2~3年生でこんな経験を主体的にできる彼らがとても頼もしく見えた。彼らが来るまでに耳に入ってくる話といえば、近年の若者の内向き志向、東南アジアなどの異文化世界への無関心な傾向、といった話であった。もしかすると、今回来た学生たちは実は少数派なのかもしれない。しかし、真剣に現実と向き合い、何かを学び取ろうとする若者が確かに存在していることが確認できたのは、とてもうれしいことだった。
彼らにとって、このスラウェシやマカッサルという現場はどのように映ったのであろうか。ここマカッサルに住むものとして、彼らがなんとも言えぬ近しい感情を抱き、スラウェシやマカッサルを大事に思ってくれたのなら、存外の喜びである。そして、再び訪ねてくれるようなことがあれば、本当にうれしい。そして、そうした彼らのような存在が、結果的に、日本とインドネシアとの関係を基本的なところでしっかりと強いものにしていくのだと信じている。
来年も再来年も、一人でも多くの人に来てもらいたい。そして、スラウェシ・ファン、マカッサル・ファンになってほしい。そんな若者たちとの出会いを、マカッサルで楽しみに待っている。
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