2008年9月29日月曜日

生活用具に注目する

人は、その生活環境に合わせて、様々な生活用具を作って暮らしてきた。生活用具の変遷を見れば、その土地の人々の生活がどのように変化してきたのかを知ることができる。

しかし、そうした生活用具が次々に姿を消してしまっている。簡便で扱いやすいプラスチック製のどこにでもある食器などに取って代わられ、使われなくなった用具はどんどん捨てられていく。

トラジャのクテケスを訪れたとき、トンコナンの1階にある小さな博物館を見学した。展示物に何の説明もなく、ただ無造作に置かれているだけの、博物館というよりは倉庫という趣の場所であったが、人々が日々の生活で使っていたであろう、様々な生活用具が置いてあった。一つ一つ「これは何ですか?」と聞いて、写真に撮って並べたページを次のサイトに作ってみた。

トラジャの生活用具

博物館を管理するアグス氏によると、他にもまだたくさんの用具がガサゴソと置いてあるという。これを整理し、説明をつけてカタログを作ってはどうか、と提案した。

木製の生活用具は、南スラウェシ州ブルクンバ県のカジャンの村に行ったときにも見た。しかも、カジャンの人々はまだそうした用具を生活の中で使っているのである。しかし、そこにもプラスチック製の簡便な用具が入り込んできていた。

人々が簡便でより便利な生活を求めるのは当然のことである。しかし、それまで使っていた用具を何らかの形で残し、自分たちの生活の記憶を失わせない努力も必要なのではないか。生活用具を作ってきた技術やそれを生かした生活の記憶は、誰も継承することなく、あっという間に消えていく。それは、私自身のこれまでの生活姿勢への反省でもある。

2 件のコメント:

Nats さんのコメント...

上から2番目のご飯を食べる器はずいぶん真丸くくりぬかれていますが、木地ろくろみたいなものがあるのでしょうか。

daengkm さんのコメント...

Natsさま
いずれ確認したいと思いますが、私自身は、木地ろくろのような道具をまだ見たことがありません。刃物で削って滑らかにしているのではないかと思います。