何はともあれ、まず行きたかったのは、バイトゥラフマン・モスクである。同行のインドネシア人の友人もマグリブの礼拝をしたいというので、一緒に出かけた。建物は、想像よりは小さかったが、何とも言えない厳かで落ち着いた雰囲気を醸し出していた。
真ん中にかけられた時計をよく見ると、数字がアラビア数字で書かれている。
モスクの中の様子をみたいと思って、階段を上がったところで、警備員に「ムスリム以外は中へは立ち入り禁止だ」と言われた。もちろん、そうだろうと思っていたので、驚きはしなかったが、中の写真は撮っていいというので、撮らせてもらった。
夕暮れどき、たくさんのツバメが声を上げながらモスクに集まってくるなか、テープ音だったが、しっかりとしたアザーンが鳴り響く。海からの風が心地よく、何とも言えぬ、贅沢な夕暮れのひとときを過ごしたという満足感が沸いてくる。そして、この荘厳な大モスクを舞台とした、穏やかで静かな夕暮れの祈りのひとときを、とても美しく、柔らかく、尊いものに感じた。「イスラムは美しい」と感じた。
夜の帳が下りはじめ、照明に映える大モスクは、何とも言えぬ美しさを見せた。ため息が出るほどの美しさだった。
インドネシア人の友人に、「アチェの大モスクでの礼拝の気分は他のモスクと違うのか」と聞いてみた。曰く、モスクの大小や新旧とは違う、歴史の重みを感じるので、気分は全く違うのだそうだ。そして彼は、津波のことを思い浮かべながら祈った、という。
2 件のコメント:
はじめまして。ツイッターで何回かやり取りさせていただいた轟英明と申します。私もバンダアチェの大モスクには格別な思い入れがあるので、コメントをさせていただきます。
まず今のモスクはアチェ戦争開始時にオランダによって焼かれ、その後オランダの懐柔策によって再建されたものです。設計はイタリア人によるものと聞いてます。当初はクーバはひとつでしたが、その後徐々に追加され現在の5つになりました。モスクの変遷については州立博物館に模型があります。同博物館にはアチェ戦争の写真も多数展示されてます。
また、97年ころはミナレットの頂上までリフトで昇ることができましたが、今は閉鎖しているようです。
このブログでアチェを紹介していただいたことに感謝いたします。ありがとうございました。
轟さま、コメントをありがとうございます。アチェ初心者の拙い書き物で恐縮ですが、いろいろと勉強になります。
これからも、ブログ、ツイッターでよろしくお願いいたします。
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