とうとうマカッサルでも、今月半ばから計画停電と計画断水が本格化してきた。これまで、スラウェシの他の地方都市で、停電が断続的に起こっているのに、マカッサルではあまりないな、と思っていたのだが、もはや例外扱いではなくなった。
今日(23日)は、昼間に2時間、夜間に2時間、停電になった。場所と時間を変えて、計画停電が行われている。夜の用事で、自宅から旧市内へ向かったが、ウリップ・スモハルジョ通りの両側が延々と真っ暗だった。明かりのついているのは、発電機を備えていると思しき民間企業のみ。街灯はもちろん、信号機もすべて消えている。マカッサル「大停電の夜に」という趣きの真っ暗さだった。
マカッサルに電力を供給しているバカル水力発電所のダム湖の貯水量が減少していることが最大の原因とされ、とくにダム湖の湖底に土砂が堆積していることが問題となっている。土砂が堆積するということは、上流からの土壌流失が弱まらないということ、すなわち森林伐採などで上流地域の保水力が弱っていることが関係しているように思われる。11月にはセンカンのガス発電所からの電力供給をリンクさせるので、状況は緩和するというが、期待の域を出ないだろう。
水道も、2週間前ぐらいから水圧が下がり、とうとう断水が始まった。一昨年はかなり断水がひどかったが、昨年は幸いにも断水は起こらなかった。水源からの水量が落ちていることに加え、浄水場のポンプが2基壊れたのが原因、と市水道局は説明する。しかし、市水道局から管理運営を委託された民間会社が、市からの支払いが滞っていることを理由に管理運営をやめると宣言し、10月5日から水が止まる、という話が世間を賑わせていたのを思い出す。滞納している市水道局が開き直り、民間がやらないのなら結構、自分たちでやる、と啖呵を切っていたのだが、その顛末が、今回の断水につながったと見られてもしかたがないだろう。市水道局と民間企業の騒動については、その後、新聞であまり報道されておらず、当初は断水の理由も明らかにされていなかったのだ。
今回の計画停電と計画断水は、一昨年よりもひどくなるかもしれない。一昨年のような乾季が長引いた、というような理由ではないからだ。明らかに人災という面を強く感じる。しばらくは、懐中電灯を常時携帯し、水が出る時に水をためる、という形で対処していくより仕方がなさそうだ。
1 件のコメント:
バカル発電所、浄水場、どちらも日本のODAが絡んでいるので非常にデリケートな問題ですね。でもバカル発電所のトラブルは今に始まったことではないですし、それが今回のマカッサル電力危機に直結している、というのは理解し難いです。燃料油の高騰による影響など、他の要因もあるような気がします。
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