2008年10月29日水曜日

マサンバのバゲアは一味違う

10月20~22日、マカッサルから片道10時間かけて、南スラウェシ州北ルウ県の県都マサンバを訪問した。ここにあるマリンド適正技術開発センターを視察するためである。このセンターは、東部インドネシア各地から研修生を受け入れ、農林水産物の様々な加工技術を教えている。扱っているのは、バナナ・チップや魚せんべいのようなものから、カカオの挿し木栽培まで幅広い。

マリンド適正技術開発センターでいただいた昼食

ここには、サゴやしデンプンの団子(水飴のような感じ)を野菜や魚・肉の入った酸っぱくて辛いスープで食べるカプルンという料理がメジャーである。パプアやマルクではパペダ、クンダリではシノンギとも呼ばれるが、このセンターはそのインスタント・カプルンを開発したことでも知られる。ただし、その後の販売促進が地方政府の官僚制の弊害などでとん挫し、インスタント・カプルンは、今では市販されていない。

サゴやしを使ったクッキーのような菓子であるバゲア(Bagea)は、東部インドネシア各地にある。マナドでも、アンボンでも、様々な種類のバゲアがあちこちで売られている。ここマサンバにもバゲアはあるが、今回紹介するこのバゲア、ちょっと一味違うのである。



バゲアといえば、割と固い食感なのだが、このバゲアはサクッとくる。そして、お茶と一緒に食べると、口の中でホワッと溶けるように消えていく。このサクサク感と食べたときの軽さは、通常のバゲアでは味わえないものだ。試しに友人に食べてもらったが、一様に、「このバゲアは違う」という反応だった。

残念ながら、マカッサルではまだ店で市販されていない。先に紹介したビパンと同じように、口コミで知り合いに出している程度だ。

ほかにも、マカロニ・カチャンというのがある。見た目はカシューナッツを半分に割ったような形だが、原料はピーナッツである。とても軽いクッキーである。


このバゲアやマカロニ・カチャンは、マサンバのトランス・スラウェシ道路沿いにあるToko Ekonomi Rakyat Luwu Utaraで手に入れることができる。トラジャ観光から足を延ばすのはちょっと遠いが、スラウェシ縦断の折には、忘れずに寄ってほしい。

エンレカンのビパンといい、マサンバのバゲアといい、スラウェシの地方には、実は知られざる銘品がまだまだ埋もれているような印象がある。これを掘り起こしていくのも私の楽しみである。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

2番目のスコーンというかクッキーというか、すごいおいしそうです!
忘れずに寄りたいですが、バスで行けますか?

Unknown さんのコメント...

トラジャからは、Masamba行き、Malili行きのバスに乗って、約2時間半~3時間かかります。Masambaの街を過ぎ、橋を渡ってから5分ぐらいの左側にあります。Masambaからは、夜行バスに乗れば、翌朝、マカッサルに到着します。

まだ我が家にストックがあるのですが・・・。今回は残念でしたね。

匿名 さんのコメント...

2月にゴロンタロでお世話になったあいあいネットボランティアの長南(ちょうなん)です。
いつもブログの記事に出てくるものがおいしそうですね。
海の向こうでヨダレを垂らしております。
バゲアもフレンチもおいしそう・・・


今日の我が家の夕飯は大根ステーキです。
おなかすいたです。

Unknown さんのコメント...

ちょうなんさん、お久しぶり。最近、ますます「食べ物」ブログになってしまっている感じです。今用意している次のネタも、食べ物です…。ごめんなさいね。